愛さえあれば、年の差なんて!?











 10 年の差〜毒女アニシナと魅 惑の天使!?〜











グウェンダルが万年 筆を取リ出そうと、一番上の引き出しを開けると………………………………









赤ん坊。









「!!!!!!!!!!??????????」
「こんにち は。」
「なななななななななな!!!!!?????」
「こんにちは 〜☆」
「………………こんにちは。」


グウェンダルが小さく返事をする と、その少女は満足した様子できゃきゃっと喜んだ。


『か、可愛い!!………………いやしかし、何故こんな所に赤ちゃんが!?
 ………………いや、誰の仕業か大 方予想はつくが、予想はつくが!!


グウェンダルが、脳裏に浮かぶ 赤い色を頭から追い払おうと必死に葛藤していると、その赤ん坊は自力で引き出しか ら這い出て来た。


「おぢちゃん、だっこ〜」
おぢ!?………………おいで。」


“おぢちゃん”という台詞に多大なショックを受けながらも、目の前の誘惑 には勝てずにそっと赤ん坊を抱き上げる。


『………………ぷにぷにだ(変態 )』


そんな大人の邪な気持ちには全く気づかないであろう幼い少女は、 グウェンダルに無邪気な笑顔を向ける。


「おぢちゃんのお名前は〜?」
「………………グウェンダルだ。」
「グエン〜vvv」









ズキュー ン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!









精一杯威厳を保とうとしていたグウェ ンダルだったが、愛らしく自分の名前を呼ぶ少女に、
完全に心のたがが外れてしまっ た。


「あなたのお名前はなんて言うんでちゅか〜?」
っていう の〜」
「そうでちゅか〜ちゃんっていうんでちゅか〜………………………………………………!?


一瞬にして顔色が変わったグ ウェンダルは、(?)を抱えたまま慌てて部屋を飛び出した。


「ア ニシナァァァァァァァァァア!!!!!!!!!!」



















「………………この子、本当になの?」


ユーリは、グウェンダルの膝 の上で可愛い笑顔を振りまいているの、ふにふにのほっぺを人差し指で押した。


「………………本人がそう言ってるんだから、そうなのだろう。」
「コ ンラッド、幼なじみなんだろ?どう思う?」
「確かに小さい頃のに似てなくは ないけど、俺が出会ったのはもう少し成長してからですから、何とも言えません ね。」


コンラートは、肩の所でお手上げのポーズをとった。


「実際大きいは行方不明だし………………明らかに犯人なアニシナさんまでいない し。この子、ほれからど〜ふるよ?」


当の本人である(小)は、ユーリのほっぺをつねって遊んでいる。


「………………とりあえず私があずかろう。さっきから私にひっついて離れないしな。」
「グウェンダル!?見損ないました!!いくらあなたが可愛いもの好きだからっ て、幼妻にも程がありますよ!?」
「なっ!!馬鹿を言うなギュンター!!誰がいつ “妻”にするだなんて言った!!」



血相を変えて迫って来たギュン ターを、グウェンダルは力一杯足で蹴り返す。


「あ、光源氏の“紫の上作 戦”てやつ!?小さいうちから手なづけて、成長したら自分の恋人にするってやつ!!
 ………………………………ごめんなさい。」


グウェンダルに鋭い瞳で 睨まれてしまったユーリは、命の危険を感じてあっさりと謝った。


「流石に 年が離れすぎっしょ〜一番近い陛下でも14、5歳差ですからね☆」


ヨザッ クがグウェンダルの膝から、を持ち上げた。


「まっちょ〜!!」
「はいはいマッチョですよ〜♪ナ マエちゃん、マッチョなお兄ちゃんにちゅ〜してくださいな〜vvv」


「ちゅ〜vvv」


は可愛い唇を尖らせて、ヨザの頬にちゅっと口づけ た。


「こらヨザック!!何をしてるんだ!!」


ヴォ ルフラムが真っ赤な顔で、ヨザックに掴みかかった。


「昔はよくこんなんし てたんすよ〜。坊ちゃんだってよくやられてたじゃないですかぁ♪」


ヨザッ クはニヤニヤとしながら、ヴォルフラムをからかう。
幼い頃の自分にべったりだったを思い出して、ヴォルフラムは更に顔を赤くした。


、坊ちゃ んもちゅ〜して欲しいって、ほらちゅ〜って☆」


ヨザックは面白がってをヴォルフラムにつきだした。


なっ!!………………………………。」
「ちゅっvvv」


大人しく差し出されたヴォルフラムの頬 に、はまたもやキスをした。


「ヴォルフラムまでめろめろになってる ………………流石………………」


ユーリは、信じられない位にしおらしいヴォルフラムを、 珍しいものを見る様な目で見つめる。


「陛下にもちゅ〜って」
「え!? 俺も!?」
「ちゅ〜vvv」
「ん。ありがと。ちゃん。」


ユーリはそう言うと、の頭をくしゃくしゃと撫でた。


「ど〜いたちま ちて♪」
「隊長にもちゅ〜」
「ちゅ〜vvv」
「次は、怖いお顔のおぢちゃ んにもちゅ〜って」
「誰がおぢちゃんだ!!」
「おぢちゃん〜ちゅ〜vvv」
「………………………………。」


グウェンダルは完全に(小)に骨 抜きにされたようである。


「最後にギュンター………………は止めとこう か、鼻血付けられたら嫌だし。」
「な!!ヨザック!?なんて殺生なこと を!!」


泣いてすがるギュンターを慰めるように、はおでこに ちゅっとキスをした。


「泣いちゃらめよ〜?」
『可愛い〜 vvv』


その場にいる誰もが、にめろめろになったその時


「あなたたち!!」
「「「ギーゼラ!!」」」



鋭い声が響いたかと思うと、ギーゼラが鬼の様な形相で立っていた。


「何を勝手なことをしてるんですか!?がわからないからって、好き勝手していい とでも思っているんですか!?」


ギーゼラのあまりの気迫に、男性陣 は返す言葉もなくうつむいてしまう。


「………………は私が預かりま す。………………皆さん?が元に戻った時のこと、覚悟しておいた方が良いかもし れませんわね?」


そう言い捨てると、ギーゼラはを抱えて出ていっ た。


「嵐が去った………………。」


誰かがぽつりとそうつぶや くと、誰からともなく各々の部屋に戻って行った。



















─────次の朝─────



















「おはよう〜。あれ?珍しい。もう皆集まってるの?」


朝、いつものようにユーリが広間に行くと、いつものメンバーが既に食卓に 揃っていた。


がどうなるか気になって、全く眠れなかった………………。」
「右に同じく。」
「僕もだ。」


よく見ると、皆の目の下に は隈が出来ていた。


のことだから、けろっと元に戻ってそうな気も ………………」


バタンッ!!!!!!!!!!


「「「!?」」」



ユーリの言葉を遮るように扉が開いたかと思うと、(大)が飛び込んで来た。


「………………ひとりいっぱぁぁぁぁあ つ!!!!!」
「「「な!?」」」
「赤ん坊にまで手を出すなんて信 じられない!!あんたたち全員、獣よ!!」
!!誤解だよ!!」


襟首を捕まれたユーリが慌てて否定をしても、今のには全く通用しなかった。


「うるさい!!誤解も6階も7階もな〜い!!問答無用!!!!!!!!!!」
「「「うわああああああああああっ!!!!!!!!!」」」



血盟城 中に、男たちの叫び声が響き渡ったことは、いうまでもないだろう。



















「………………アニシナ?一体に何をしたんですか?」
「一晩寝た位で戻って しまうなんて………………改良が必要ですね。」
「………………アニシナ?私の質問 に答えてくださいます?」
「………………ギーゼラ、そう睨まないでいただけます か?そんなにも聞きたいなら教えて差し上げましょう!!」
「いや、そうでなく」
「若がえ〜る君3号〜!!これを飲めば、みるみる昔のあなたに早変わり 〜!!」
「………………聞いてないし。」


ことの真相は、毒女ア ニシナと、のみが知る。



















も、昔はあんなにも可愛かったん だな………………いや、今でも充分可愛いぞ!?(グウェンダル心の呟き)ー



















[ あとがき]
アンケリク「ヒロインが幼児化するお話」でした☆
リクしてくださっ た心様、ありがとうございました。
グェンダル中心の逆ハーとのご希望だったので、 グウェンに力を入れたら、
入れすぎておかしなことになってしまいました(汗)
楽 しんでいただけたら幸せです☆