もう二度と戻ってくるつもりなんてな かったのに………………
(あれ?前にも同じこと言った様な………………? )











 17 風呂〜みんなで☆スタツ ア〜











「い〜い湯だぁな〜あははん♪ い〜い湯だぁな〜あはは〜ん♪」


ユーリはいつものように、自分専用の大浴 場で歌を唄いながらくつろいでいた。









ゴ ポッ………………









静かな浴室に、怪し い水音が響く。


「………………何か嫌な予感が………………」









ゴポゴポッ………………!!









浴槽の中心が、渦を巻いている。


「や、やっぱり!?うわぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!!
ユーリ!?どうしたの!?


外で控え ていたが、慌てて駆け込んできた。


「な!?普通に入って来る なぁぁぁぁぁ!!お前はもっと恥じらいってものを、って!!
 も〜何でも良い から助けっ………………!!」
「捕まって!!って、うわっ!!


必死にユーリの手を引っ張ったが、勢い余ってまで引きずり込まれて しまった。


コンラート!!
どうしました!?


二人の叫び声を聞きつけたコンラートが大慌てでやってきた。


「………………何で二人で入ってるんですか?」


いいか ら助けろ!!


「うわっ!?」


コンラートは、二人に一 斉にしがみつかれて足を滑らしてしまう。


「ちょっ!!嘘でしょ〜!?」


こうして三人揃って、スタツアしてしまったのであった。



















気が付くと、三人はずぶ濡れで川縁に倒れて いた。


「………………そっ か。私たち、ここに自転車ごと突っ込んだんだったっけ………………」


つい 最近の出来事なのに、何だか何年も前のことのように思える。
呆然と川を見つめるの横で、これまた途方に暮れた様子でユーリがうなだれる。


「これから 二人ともどうするよ〜?まさかうちに泊めるわけにはいかないし………………
 あ れ?そういやが一人で住んでたアパートって、どうしてたんだ?」
「あぁ、あ そこはボブが用意してくれたのよ。まだ使えるかは微妙だけど………………」
「ボ ブって誰だよ………………」
「じゃあ、俺とはとりあえずそこに行ってみます よ。陛下の母上と、接触するわけにはいきませんし。」
「無視かよ!!」


こうして、一度ユーリと別れたとコンラートは、のアパートに 向かうことになった。









、あそこに公 園があるよ。行ってみないか?」
「………………コンラートは、本当にのんきで良い わね?」


異世界に来てしまったとい うのにあくまでマイペース………………というより、この状況を楽しんでいる様子のコン ラートに、
は完全に呆れていた。


「この世界は便利で良いけど、 やっぱり自然が少ないな。」
「………………そうね。」
「黒瞳黒髪ばかりだか ら、ギュンターにとっては天国かもな。」
「………………そうね。」
「………………何かさっから口数が少なくないか?」
「………………コンラートといると目立つ のよ!!さっきからジロジロ見られてる!!」
があんまり可愛いからつい皆 みちゃうんだよ。」
「(明らかにお前の勢だよ!!)………………たらし。」


確かに街を歩く二人は、滅多にいない正統派美男美女カップルとして、大分 目立っていた。



『私は黒髪なぶん、まだ適応してるけど、コンラートは明らかに範囲 外なのよ!!』


ご機嫌なコンラートをよそに、は頭を抱えていた。









しばらくして歩き疲れた二人は、公園のベン チで休憩することにした。


「良い天気だな。」


コンラートは手をかざして空を見上げた。


「………………うん。」
「この空は、眞魔国とつながってるのかな?」
「………………私は、寂しくなった時はいつも空を見上げていたわ。きっとこの空の 下にあなたやヨザや皆がいるって、
 同じ空の下にいるんだって思ってた。」
「………………そうだな。」


そうして二人はどちらからともなく手をつない だ。


、眞魔国に戻ってから、こちらの世界に帰りたいとか思ったこ とあるのか?」
「………………あなたがいる世界が私の生きる場所よ。」
「………………そうか。」


二人はいつまでも沈みかけた太陽を見つめていた。



















「コンラート、先に入っていいよ。」
「レディーファーストだよ。から入っ て。」
「(私が先に入ったら後から入って来そうだし)………………やだ。」


アパ ートに着いた二人は、どちらが先に風呂を使うかで争っていた。


「………………早くしないと覗くぞ?コラ☆
入ってきます今すぐに。


コンラートが本気なのを悟ったは、大急ぎで脱衣所に駆け込ん だ。









「………………こんなに狭いお風呂、久 しぶりだわ。」


は昔を思い出しながら、ゆったりとくつろいでいた。


「どうやったら、あちらの世界に帰れるのかしらね〜?」









ゴポッ………………









「………………何か嫌な予感が………………」









ゴポゴポッ………………!!









やっぱり!!うぎゃああ あっ!!
どうした!?
「って!!普通に入って来るな!!ヘン タイ!!


は石鹸やシャンプー を手当たりしだいに投げる。


「なっ!!じゃあ、どうしろってんだ!?」
わ〜!!見るな!!見るな!!触るな〜!!
「だからどうやって助けろと………………」


もみあう二人は、いつのまにやら本日2度目のスターツアーズ ☆



















かなりのハードスケジュールで眞魔国と地球を行き来したとコンラートは、ユーリ 専用大浴場に倒れていた。
先に目覚めたは、そっとコンラートに囁きかけた。


「コンラート?」
「………………………………??は ぶっ!?


目を覚ましたコンラートの腹部にすかさず右ストレートを くらわすと、コンラートの上着を脱がしてさっさと自分が羽織った。


「悪く 思わないでね、コンラート。裸で出ていくわけにはいかないからさ。」


そう 言うとは、さっさと出ていってしまった。



















………………お前って、俺のこと、好きなんだよな??(コン ラート心からの疑問)ー



















[ あとがき]
アンケリク「ユーリのスタツアにヒロインとコンラートが巻き込まれる」 でした☆
リクしてくださったイチカ様、ありがとうございました。
いかがでした でしょうか?
何だか微妙なギャグになってしまいましたが、気に入っていただけたら 幸いです(^O^)