「グウェン〜この書類のことだけどさ
〜ぁ?」
「グウェンダル!!新しい発明品のもにたぁになりなさい!!」
………………いっそ机を買い変えてしまおうか………………。
「「ちょっと聞いて
るの(ですか)!?」」
「うるさい!!!!!!!!!!」
グ
ウェンダルの机の引き出しから二人仲良く顔を突き出すとアニシナの頭を、グウェ
ンダルは力一杯ぐいぐいと押し込む。
「ここから出てくるなと何度言っ
たらわかるんだ!!」
「「ここが一番都合がいいんだから仕方がないでしょ
う?」」
「ハモるな!!」
グウェンダルは頭を抱えると、
ぐったりとした顔で大きなため息をついた。
「で?アニシナは今日は何を
持って来たの?」
「よくぞ聞いてくれました!!流石
ですね!!」
「そこで会話を続けるな!!」
アニシナ
は文句を言うグウェンダルには目もくれずに、小さな小瓶を取り出した。
「本音しゃべ〜る君〜☆」
「「本音しゃべ〜る君〜!?」」
とグ
ウェンダルは一斉に不審そうな目をアニシナに向ける。
「このドリンクをぐ
いぐいっと飲むだけで、ぺらぺら〜っと本音が出てくるという優れものです!!
マ
ンネリ化したカップルに是非おススメしたいこの一品!!本音でぶつかりあってこそ真実
の愛は生まれるのです!!」
「………………アニシナにしては珍しくまともな意見
ね。」
「納得する所じゃないだろう!?」
「というわけで!!さぁグ
ウェンダル、ぐいぐいっといきなさい!!」
アニシナはグウェンダルの頭を
鷲掴みにすると、無理矢理口元に小瓶を押しつけた。
「なっ、何をす
る!!離せっ!!」
「あっ!!」
グウェンダルが暴れた
拍子に、小瓶はアニシナの手
から勢いよく飛び出した。
ぱしゃっ!!
「ひゃっ!?」
小瓶の中身が、アニシナの隣にいたに頭から降
り注ぐ。
「………………当初の予定とは違いますが、まぁ良いでしょう!!
さぁ、!!日頃の鬱憤をはらすのです!!」
「………………お前はどこまでポ
ジティブなんだ………………。」
「………………グウェンダルは小言が多すぎるの
よ!!」
「は!?」
はよいしょと言いながら引き出し
からはいでて来ると、恨めしそうな瞳でグウェンダルに詰め寄った。
「そん
なんだから眉間に皺が寄るのよ!?この老け顔!!」
「老けっ!?っ
て!!顔は関係ないだろう!!………………?何だか、お前、酒臭くないか?」
自分に迫り寄るから、何とも言えないアルコール臭が漂ってくる。
「それは当たり前です!!“本音しゃべ〜る君”の主成分はアルコールです
からね!!」
だったらこれはただ酔っぱらってるだけだ!!」
「そぉやって怒ってばかり
だから、いつまで経っても彼女が出来ないんだよ!?わかってる!?」
「大きな
お世話だ!!」
「もっと、こぅさぁ〜?ワガママぷ〜の可愛らしさとか、腹黒
次男坊の女たらしとかを少しずつ取り入れるべきよ!!
美味しいトコどり!!ぐれぃ
とね!!」
「………………お前、キャラが変わって来てるぞ?」
そろそろ怒る気力さえなくなってきたグウェンダルは、諦めた様に肩を落とした。
「あくまで渋キャラ路線で行くっていうんだったらさ〜ぁ?もっと大
人の色気を取り入れるのよ!!
ワイングラス片手に微笑むとか〜葉巻くわえながら
流し目とか〜ぁ?」
「何でお前にキャラのダメ出しをされなきゃいけないんだ………………」
「それからそれから、もっとユーリに優しくしろ〜!!てゆか私に優し
くしろ〜!!
後、前に頼んだうさちゃんをまだもらってないぞ〜!!
」
「あれは毛糸が途中で足りなくなって、今発注してる最中でだな………………」
「本
音というより、これはあなたに対する不満と文句ですね。
なるほど!!非常に良い結
果が出ました。では私はこれで失礼します。」
「な!?アニシナ!!何を
無責任な!!って、おい!!」
こうしてグウェンダルの制止の声
も聞かず、アニシナは満足した様子でさっさと引き出しから帰って行ってしまった。
「あいつは一体何がしたいんだ!?自分が良
ければそれで良いのか!?」
「………………アニシナ、帰った?」
「あぁ。
………………!?」
急に声のトーンが変わったのを不思議に思ったグ
ウェンダルは、慌てての方を振り返った。
「うは〜っ!!
あぁ〜疲れた!!緊張して変に肩こっちゃったよ。」
「まままままままままま、
ま、まさかお前!?」
「あはは〜☆どうやら本当にただのお酒だったみたいね
〜。
あれしきでこの様が我を失うかって〜の♪
てゆか、グウェン私がお酒に強いの
知らなかったっけか?」
は、さっきとはうって変わってけろっとした
顔で笑った。
「いたたたたた!!ほっぺつねるなぁ!!私のお陰
でアニシナの実験台にならなくて済んだんでしょ〜が!!感謝してよね!?」
「馬鹿
者!!いらん心配をかけさせおって!!第一、誰が老け顔だ!!」
「本当
のことでしょ〜!?」
「それに」
「それに?」
「………………これでも十分
お前にだけは優しくしているつもりだ。」
「!?」
予想外の
台詞に、の顔は一気に赤くなった。
「………………もっかい!!グ
ウェン!!今のもっかい言って!!」
「馬鹿者!!お前もさっさと帰れ!!」
「ほらやっぱり優しくない〜!!」
愛がある
からこそ言える台詞だって、ちゃんとわかってよね!?
ー私はいつもお前に振り回さ
れてばかりだからな。たまにはこういう終わり方も良いだろう?ー
[
あとがき]
アンケリク「アニシナとヒロインに振り回されるグウェンダル」でした☆
リクして下さった海斗様、ありがとうございました!!
気に入っていただけると
幸せです☆