「ねぇ」
「ん?」
ねぇと問いかけたのは腕の中で読書をしていた愛おしいヒト。
いつものようにすぐに返事を返したが、それに続く言葉はなかった。
しばらくして、また言葉が紡がれる。
「…ねぇ、コンラート」
「何?」
答えると腕の中の恋人が小刻みに震えた。
つられて、笑みをこぼす。
「…何なんだ、一体」
「ん?この距離がいいなって思って」
沈黙することでの言葉の先を促すと、背を向けていた恋人がくるりと向きを変えてこちらを見て話し出す。
「“ねぇ”って言うとすぐ“何”って返ってくる、この距離がいいなって思ったの」
そんな可愛いことを言われると、悪戯心が湧いてくるじゃないか。
「それもいいけど…」
そこまで言って言葉を切ると、を引き寄せて唇を重ねる。
驚いて仰け反ったはバランスを崩して背中から転げ落ちた。
突然のことで支えることができずに、その様子を目撃したあと、思わず噴出してしまった。
あぁ、怒ってる…
「俺は、に触れられるこの距離が、とても好きだよ」
大丈夫?と差し伸べた手を、むくれながらも取るキミの赤い顔が見える。
キミにすぐに手が届く、この距離が俺のbest distanceだよ。
[
あとがき]
この小説は、希望様が25000HITお祝いに書いて下さいまし
た!!
我が家のパソコンの不具合で、ファイルが行方不明になっていたため、
アップが遅くなってしまって申し訳ありませんでしたm(_ _)m
とても甘くて、二人のほのぼのした様子がとっても伝わってくる、とても素敵なお話ですvvv
本当にありがとうございました
!!