「もそろそろ、お年頃よね〜
vvv」
そんなツェリの何気ない一言から、全てが始まったのだった。
それは、珍しく“自由
恋愛旅行”から帰って来ていたツェリを加えた、いつものメンバーで食事をとっている時
のことだった。
「ねぇ、?あなた、うちの3人の息子たちのうち、ど
の子をお婿さんにもらってくれるのかしら?」
「ぶ
〜っ!!!!!!!!!!」
その場にいた全員が、一斉にスープを吹
き出した。
「私としてはどの子が選ばれても、は私の娘になれるわけ
だから、誰でも良いんだけどもね〜♪」
「「「母上!!!!!!!!!!
」」」
魔族似てねぇ3兄弟が一斉に立ち上がった。
「なぁに?あなたたち。食事中に立ち上がったりして、行儀が悪いわね。」
母親に鋭い瞳で見とがめられた息子たちは、大人しく席に着いた。
「まぁ、年齢的にはグウェンからなんでしょうけど、グウェンにはアニシナがいるしねぇ
〜。」
「!?母上!!何故そこでアニシナが出てくるのです!?冗談でもよして
ください!!」
血相を変えたグウェンダルが、再び立ち上がって猛抗
議をする。
「アニシナと結婚するくらいなら、と結婚した方が何
億倍もマシだ!!」
「!?ちょっと今のは聞き捨てならないわね!!“マ
シ”って何よ“マシ”って!!」
今度はまで立ち上がる。
「グウェンは、そんなに私と結婚したくないわけ!?」
「な!!誰もそんなことは言ってないだろう!?」
「なら結婚してく
れても良いじゃない!!今決めたわ!!私、グウェンと結婚する!!」
「「「は!?」」」
の爆弾
発言に、その場にいた全員(ツェリは除く)の顎が外れる。
「まぁああっ
vvv本当に!?素敵!!素敵だわっ!!」
手放しで喜ぶツェリなど目に入
らないかのように、コンラートはあり得ないくらいドスのきいた声で呟いた。
「………………グウェンダル?今のは、完全に売り言葉に買い言
葉だよ。も頭に血が昇っちゃってるんだ。もちろん本気になんてしないよな?
」
コンラートはグウェンダルに満面の笑みを向ける。
『目が笑ってない笑ってるのに笑ってないてゆか笑ってないか
ら!!!!!!!!!!』
コンラートはたっぷりグウェンダルに圧力
をかけた後、今度はの方に向き直った。
「、お前もすぐにそう
やってカッとなる性格、どうにかしないか。」
「コンラートには関係ないでしょ!?
コンラートはユーリと結婚すれば良いのよ!!せっかく陛下トトでも最有力株なんだから
さ!!」
「!!ユーリは僕の婚約者だぞ!
!」
「ヴォルフラム!!だから俺たち男同士だから結婚は無理だってば!!(汗)」
「だまらっしゃい!!!!!!!!!!」
ツェリが一言そう
叫ぶと、その場が一斉に静かになる。
「………………コホン。いつまでもこ
うしてても話しが先に進まないわ。こういうのはどうかしら?
と結婚出来る
権利をかけて、3人で勝負をするっていうのは?」
「ツェリ様!?」
「あ、俺も参加したい!!」
「ユーリ!?」
「では陛下も加えて4人
ね。3人とも、それで良い?」
「いいだろう。」
「俺もかまわないよ。」
「僕もだ。」
「誰か一人位私の話を聞いてよ〜!!(泣)」
当の本人であ
るの意見は全く無視されたまま、話しは着々と進んでいくのであった。
「第一回、争奪戦〜!!ドンドンパフパフ〜♪」
『………………何でアニシナ(さん)がいるんだろう………………(猛烈に嫌
な予感)』
食後、参加者はツェリに広間に集められたのだが、何故だかそこ
で待ち受けていたのは言わずと知れたアニシナ嬢であった。
「男たるもの、
愛する者のためならばどんな試練にも耐えねばなりません!!そこで活躍するのがコ
レ!!」
『やっぱり発明品を試したいだけか〜!!!!!!!!!!』
誰もが心の中で、泣いて謝って逃げ出したい気持ちにかられたが、が
人質になっているため
(既に主旨が変わってる)逃げ出すことは出来なかった。
「嘘ついちゃ☆いや〜ん君〜!!!!!!!!!!」
アニシナの合図とともに、後ろから何やら大きなロボットが現れた。
「今からあなたたちに、この“嘘ついちゃ☆いや〜ん君”がに関する
質問をします。
嘘をつかずに答えられたら勝ちです。“嘘ついちゃ☆いや〜ん君”は
どんな嘘も見破りますからね?」
アニシナは“嘘ついちゃ☆いや〜ん君”のスイッチを入れると、何やらファイルを開いて
読み上げた。
「ではまずヴォルフラムから、『とヴォルフラムが戦っ
たら、実はの方が強い?』」
『………………普通にアニシナが質問し
てるだけじゃないか。』
訝し気な顔をしながらも、ヴォルフラムは自信満々
に答えた。
「僕に決まってるだろう!!」
『嘘だびょ〜ん
☆』
突然調べ〜る君が甲高い声をあげた。
「ヴォルフラ
ム失格!!」
アニシナはさっそく、ファイルにヴォルフラム×と書き込んで
いる。
「ちょっと待てアニシナ!!僕は嘘なんかついてないぞ!!
」
「“嘘ついちゃいや〜ん君”が嘘だと言ったら嘘なのです!!次はグウェン
ダル!!『ぶっちゃけは、今より小さい時の方が可愛い?』」
「………………
今の方が、かっ、かっ、………………可愛い………………と、思うぞ?」
『ま
たまた嘘ばっかり〜☆』
「グウェンダル失格!!」
アニ
シナはまたもや×を書き込むと、次はコンラートの方を向いた。
「ではコン
ラート、『陛下とでは、陛下の方が大切?』」
「勿論陛下ですよ。陛下に忠誠
を誓ってますからね。」
『嘘ついてんじゃね〜よ☆ボケ』
「………………何か俺の時だけ態度悪くないか?」
「そんなことはあり
ません!!コンラートも失格!!では最後に陛下、『は怒ると実の母親より怖
い!?』」
「え?いや………………そんなこともないんじゃぁないのか
なぁ?」
『嘘はや・め・て☆』
「………………ゴメ
ンナサイ。」
「陛下も失格!!何なんですか一体!!全滅じゃありませんか!!
ギュンター!!」
「は、はい!?」
急にアニシナに指名
を受けたギュンターは、予想外の展開に生唾をのんだ。
「これではつまらないので、あなたも参加しなさい!!」
「は!?
」
「『眞魔国で最強(恐!?)なのはである?』」
「………………まぁ、そぉ思いますけど………………って、まだ誰もやるな
んて言ってな」
『ピンポンピンポーン♪大〜正〜解〜!!』
“嘘ついちゃ☆いや〜ん君”が突然動き出して、ギュンターの周りをくるく
ると回り始めた。
「ギュンターは参加者名簿には記載されていませんが、仕
方がありませんね!!第一回、争奪戦は、フォンクライスト卿ギュンター氏の
優勝です!!」
「アニシナ!?」
「、あなたも女でしょ
う?覚悟をお決めなさい!!」
「あ、いや、そうでなくてですね、ギュンターが優勝
しちゃうと、ギュンターの命に危険が………………」
「………………辞退させて
いただきます。」
が言い終わる前に、ギュンターは自ら辞退
を申し出た。
青い顔をしたギュンターの後ろで、恨めしそうな目がいくつも光ってい
る。
「仕方がありませんね。ではこの勝負は次回の“第二回争奪戦”
に持ち越しましょう。」
「まだやる気なの!?」
「勿論!!新たな改
良を加えて、最高級のまし〜んを作り上げてみせます!!」
アニシナは楽しそうに高笑いをしながら、軽やかな
足取りで去って行った。
静まりかえった広間に残されたのは、参加者たち
(アニシナのもにたぁ)と景品である………………
「………………そ
うそう、皆、随分言いたい放題言ってくれたじゃない?」
「「「!!!!!!!!!!」」」
コンラートなど比べものにな
らない程、爽やかな笑顔を浮かべたに、全員の背筋が凍り付いた。
「勿論、覚悟は出来てるわよね?」
「「「ごめんなさ〜
い!!!!!!!!!!」」」
こうして第一回争奪戦は、決着
がつかないまま幕を降ろしたのであった。
ー
何で俺も誘ってくんなかったんすか〜!?第二回は俺も参戦しますからね!!(ヨザック
心の叫び)ー
[
あとがき]
アンケリク「ヒロインに振り回されるグウェンと黒コンラートのほのぼ
の」でした☆
リクしてくださった美響様、ありがとうございました!!
気に入っ
ていただけたら幸せです☆