一度あることは二度ある。
二度ある ことは三度ある!?











 5 嫉妬〜毒 女アニシナと愛の奴隷!?〜











!!例の“アレ”がとうとう完成しましたよ!!ほれ〜る香水2号〜!!
「………………あのぅ、アニシナさん?私、今、ご飯を食べてる真っ最中なんですけ ど?」


が長期任務から帰って来たヨザックと、久しぶりにランチをし ていると、突如、徹夜明けで妙にハイなアニシナが現れた。


「流石で すね!なんて良いタイミングでしょう!今回は効果をより持続させるために、“飲むタイ プ”にしたのですよ!
 食後の一服にピッタリの“すぅぃ〜とイチゴ味”!!」
「………………それってもう“香水”じゃないんじゃ………………「あなたは黙って なさい、グリエ=ヨザック!!」


助け船を出そうとしたヨザックを、 アニシナがバッサリと切り捨てる。


「さぁ、!!以前のリベンジを果たすのです!!さぁ!!さぁ!! さぁ!?」


アニシナが小さな瓶を片手に持って、につめよる。


「………………わかったわよ。今回だけだからね?」


は 大きなため息をつくと、アニシナから小さな瓶を受け取り、一気に飲み干した。


「うっわっ!!甘っ!!
「そりゃあイチゴ味ですから ね!!さぁ、まずは、てっとり早い所から………………!!
 ここにいるグリ エ=ヨザックを、あなたの愛の奴隷にしてさしあげるのです!!」
「そんなんなくて も、俺は既にの愛の奴隷だけどね〜♪………………って、?おい、マジで大 丈夫か!?」


最初はおちゃらけたものの、本当に苦しそうにうつむいてし まったに、ヨザックが慌てて駆け寄る。


「ヨザ………………………………。」
「ん?何だ?どっか痛いのか??………………って、 !!!!!?????


は、お もむろに顔を上に上げると、ヨザの唇を自らのそれで塞いだ。


「………………………………………………。」
「………………………………………………。」
『………………………………………………。』


ヨザックの思考回路は完全に 停止してしまったらしく、口を半開きのまま呆然と立ち尽くしている。
そんなヨザ を、が上目使いに見つめる。


「………………ヨザ??どうしたの?? 私のこと、嫌い??ちゅ〜したの、嫌だった??」
なっ!?いやいやいやいや いやいやいやいや、あ、いや、嫌じゃないけども!?じゃなくて!!何が どうなって!?」
「………………どうやら、間違えて惚れ薬になってしまったようで すね………………。
 仕方がありません!!実験には、失敗がつきものです!! さぁ!!気を取り直して次の実験に取りかかりましょう!!


アニシナは、 自分に言い訳するようにそう叫ぶと、きびすを返してさっさと立ち去ってしまった。


「ちょ!! ちょいとアニシナちゃん!?このまま放置ですか!?、どうすりゃ良いのよ!?
 し かも何だかキャラまで変わっちゃってますし!?」


その間もは、ヨ ザックに抱きついて離れようとしない。


「………………まぁ、俺としてはか なり美味しい状況なんすけどもね?でも、これ見て、隊長が何と言うか………………
 って 既にいるし!!
「やぁ、ヨザ。久しぶりに帰って来たと聞いたから、 わざわざ会いに来てやったというのに、
 “俺のに一体 何をしてるんだ??」


いつの間にやって来たというのか、コンラートが恐ろ しく爽やかな笑顔で、2人の後ろに立っていた。


「(顔は笑ってるのに声が 笑ってない顔は笑ってるのに声が笑ってない!!)い、いや〜
 アニシナちゃんの 薬にやられちゃったみたいで〜あははは〜………………☆いてっ!!


凄い勢いでコンラートが、ヨザックの頭を鷲掴みにした。


「今 すぐ戻せさぁ今すぐ戻せ?俺が本気になる前にさぁ戻せ??」
「(もう十分本気じゃ ないっすか)俺に言われても困りますよ〜(汗)」
「駄目っ!!!!」
!?」


がコンラートから守る様にヨザックを抱きしめた。


「何でヨザをいじめるの!?ヨザがあなたに何をしたっていうの!?コン ラートなんて、大っ嫌い!!


やっとのことで両思いになったば かりの愛しい恋人に、スッパリサッパリ拒絶されてしまったコンラートは、
 頭の中が真っ 白になってしまった。


「ヨザ、好きよ?大好き!ヨザさえいてくれたら、 私、他は何もいらないわ!!」


立ちすくむコンラートをよそに、は更 にヨザックにべったりになる。


「あ〜……嬉しいのは山々なんだけど、今は それより、これ以上隊長の怒りを煽らないで欲しいんだよな〜(泣)」


そろそ ろ、生命の危険を感じてきたヨザックが、本気で泣きモードに入る。


「………………。」


コンラートが鋭い瞳でを見つめた。


「………………なっ、何よ!?っつ!?……ん、ふっ!?」


コンラートは、警戒 するを無理矢理引き寄せて、強引に口づけた。


「………………ん……ふっ………ふぅ……あっ……。」


は必死に息をしようと身をよじる が、コンラートがそうさせないようにきっちりと顎を固定する。


『おいお い、隊長〜マジですか〜!?(汗)』


横で頭を抱えるヨザックを尻目に、結局 コンラートは、が気絶するまで、唇を離さなかった。


「………………どうせアニシナの薬だ、一回寝て起きたら戻ってるだろう。」


そう言ってコ ンラートは、意識を手放したをそっと抱え上げた。


「………………ヨ ザック。」
「は、はいいっ!?」
「今度こんなことがあってみろ?生き て帰れると思うなよ??


低い声でそう言い捨てると、コンラートはを 抱え てその場を去って行った………………。


「………………今回は俺、全く悪く ない気がするのは、気のせい………………??」


今日は厄日としか言いよう がない………………と心の中で泣きたい気分になったヨザックであった。
次の日、全 くその間の記憶がないと、ちゃっかりの横で寝ていたコンラートが朝っぱら から大喧嘩するのは、
言うまでもないだろう………………。



















ー 毒女アニシナと遭遇したら、1にも2にも3にも、まず、全力で逃げることが、最優先事 項であるー



















[ あとがき]
アンケリク「ヒロインがアニシナの実験台にされて、ヨザックを好きになってしまう。」でした☆リクエストして下さった光輝様、ありがとうございました!!
気に入って 戴けたら幸いです。良かったら、ご感想などいただけると嬉しいです☆
お題1「香水〜毒 女アニシナと魔性の女!?〜」の後日談という形にしてみました。