ガン●ム用語で言うと、バーサカーモー ド、って、やつですか!?
「………………これ、どういうこ
と?」
そう言ってが指さす先には、いつもと全くキャラの違う魔王様
がひとり。
「あぁ、は初めてだっけ?上様バージョンのユーリを見る
のは。」
コンラートが少し困ったような、面白そうな顔で説明する。
「なんていうのかな、堪忍袋の緒が切れたら、こんな風に上様モードになる
んだ。」
「………………はぁ、つまり何?覚醒しちゃったわけ?」
「そんな感じ
かな。」
ことの始まりは、前王陛下である、ツェリの兄でもあり摂政でも
あったシュトッフェルが、ユーリに謁見をしに来た時まで遡る。
「最近シマロン北部で不審な
動きがあるのです。ですから、ユーリ陛下には、
是非とも一度シマロンへ視察に行かれた
らどうかと思いまして。その間は私どもが責任をもって城をお預かりします故。」
「視察は私たち側近や、グリエたち工作員が行います!!陛下自ら僻地に赴く必要な
ど、皆無です!!」
シュトッフェルの無茶苦茶な言い分に、は怒りを
露わに叫ぶ。
「それ以外にもう用がないのなら、ただちにここを去りなさ
い!!」
「はっ!!どこの馬の骨ともわからん低俗な小娘めが!!血盟城を守った英
雄だか何だか知らんが、
随分とまぁ偉くなったものだな!!たかだかルッテンベル
クの生き残りの分際で、いい気になるなよ!!」
シュトッフェルが、
に罵声を浴びせたその時だった。
『………………今、なんつった?』
地の底から響くような声が響く。
「へ、陛下!?な、何
かお気に召さないことでも………………」
『黙って聞いておれば自らの所行は棚
に上げて、無関係なを貶めるとは何たる男だ!!!!
我が輩が成敗してくれる!!』
こうして散々暴れたユーリは、シュトッフェルが逃げ帰った後も暴れ足りないのか、何故
か上様のままであった。
「これって、いつもどれ位で戻るの?」
「普段
ならすぐに気を失って、目覚めたら戻ってるんだけど………………おかしいな。」
呆然とする二人の所に、噂の上様が近づいてきた。
『とやら、先ほどは誠に済まなかった。辛い思いをしただろう。』
そ
う言ってユーリは、そっとを抱きしめた。
「あぁ〜いやぁ〜まぁ〜
はぁ〜(汗)別にそんなにお気遣いなさらなくても、私は平気ですから。」
『………………本当にお主は、強くて気高いな。そして、誠に美しい。
やはり、そなたこ
そ、我が妻にふさわしい!!』
「「は!?」」
突然の夫
婦宣言に、とコンラートは同時に驚きの声を上げた。
『コンとやらとは、結婚しているわけではないのだろう?ならば、我が輩の
もとに嫁に来ても、何ら問題はない。』
上様は、さも当然と言わんば
かりに胸をそらす。
「いくらユーリでも、は渡すことは出来ません
よ。一昨日きやがれ☆って感じですね。」
「コンラート!!ユーリはユー
リだけどユーリじゃないんだから!?鵜呑みにしないの!!」
恐ろしく爽や
かな笑顔で応対するコンラートに、本気を感じ取ったは、慌てて間に入る。が
『私はいつでも本気だぞ?で?どうなんだ?コンとやら。』
「俺とは、確かに“夫婦”ではありませんが、“婚約者”ではあります
から。その辺はお忘れなきように。」
『それならば、これで問題はなくなる。』
そう言うと上様は、の頬を軽くぺちっと平手打ちをした。
『これで私とも“婚約者”だ。ここの古いしきたりでは、
そうなるのだろう?』
上様は不適な笑
みを浮かべ、コンラートを見やった。
「勘弁してよも〜」
何だ
かユーリのような台詞を言いながら、は頭を抱えた。
「………………
なかなか良い根性してるじゃないですか?」
『お主こそ。我が輩にここまで食い
ついて来れたのは、そなたが初めてぞ。』
上様は、満足そうに首を縦
に振った。
『うむ。そろそろ戻る時間の用だな。。』
「は、はいっ!?」
ちゅっ………………
「!!!!!!!!!!」
ユー………………上様は、の唇に軽く口づけを落とすと、その
ままに覆いかぶさるようにして、気を失ってしまった。
「………………コ、コンラート………………?あ、あのね?犬に噛まれたと思って、許してあげて?
(
てゆかこれって、普通私のための台詞じゃ………………)」
そんなの
フォローも虚しく、コンラートは明らかに
おかしいオーラを纏っていた………………。
名付け親であるコンラートが、息子(
ユーリ)に初めて殺意を抱いた瞬間だった………………。
「ん〜!!良く寝た!!………………もしかして、俺、またやっちゃった……………
…?」
ユーリが目を覚ますと、周りをぐるりといつものメンバーがとり囲ん
でいた。
「えぇ、豪快にシュトッフェルをやっつけちゃいましたよ。それに
加え、今回はもっと凄い事までやってくれちゃいましたしね。」
コンラート
が有り得ないような笑顔で、事の成り行きを説明する。
「………………………………何??(涙)」
「それは内緒です。きっと、また気を失っちゃいますからね。
ただ………………」
「ただ………………??」
「ユーリ、戦線布告、確かに受け
取りましたから。」
「へ!?何のこと!?俺、コンラートにいつ喧嘩うった
よ!?って、何でまで目をそらすのさ!?」
「いや〜“知らぬが花”っていうコトワザもあるじゃん!?」
は遠い
目をしながら、バンバンとユーリの背中を叩く。
「それ答えになってね〜
よ!!本当に俺は一体何をやらかしたんだよ〜!?グウェンダル!!教えて!!
」
ユーリは藁をも掴む想いで、一番しっかりしてそうなグウェンダル
に縋る。
「………………そういえば、さっきアニシナが呼んでいたな、行か
ねばならんな!!」
「普段なら呼んでても絶対行かね〜じゃん!?つかむしろ逃げる
じゃん!?ヴォルフラム!!」
「そういえばさっき、母上が僕を呼んでい
らっしゃったような?」
「嘘つけ!!あ〜も〜ギュンターでも良いや!!」
何だか少し投げやりに、ギュンターを捕まえる。
「………………陛下。私は、まだ生きたいです。(本気)」
ギュンターは涙と鼻水を
垂れ流しながら、申し訳なさそうに謝った。
「そんなに!?そんなに大変な
ことしたの!
?俺!!」
益々顔が青くなるユーリに、全員から熱いエールが贈られた。
『ファイト☆』
「だから何をだよ〜!?」
そん
なユーリが真相を知ることになるのは、もうちょっとだけ先のお話………………☆
ードラ●えも〜ん!!頼むから、タイム
マシンをプリーズギブミー!!(涙)ー
[
あとがき]
10000HITお礼フリー夢Bギャグでした。
アンケリク「魔王(上
様ユーリ)vsコンラートのヒロイン争奪線(ギャグ)」を元に書きました☆
リクして
くださったsaku様、ありがとうございました!!
いかがでしょうか?気に入って
いただけたら幸せです!!(≧∇≦)
上様の台詞の言い回しを考えるのが、楽しすぎ
でした(笑)