決して色あせることのない、僕たちの生 きた証











 9 思い出〜僕たちの記録 〜











いつもの様にいつものごとく、 ユーリとが執務室で仕事をしている時のことだった。


は、コ ンラートとヨザックと幼なじみなんだよな?」


ふいに、ユーリがにそ んなことを尋ねた。


「え?えぇ、小さいときからほとんど一緒にいるわ ね。」


は仕事の手を止めると、鋭い瞳でユーリを睨む。


「………………ユーリ、お仕事サボりたいからって無理矢理話題作らないで よね。」
「ち、違うよ!!ただ、小さい頃のコンラートとかってどうだったのかと 思ってさ!!」
「まぁまぁイイじゃないの☆この際、陛下に洗いざらい隊長の話をし てあげようじゃありませんか♪」
「「ヨザ(ック)!?」」


現 れるなり、後ろから自分にべったり抱きついて来 たヨザックに、は冷たい視線を向ける。


「………………いつの間に部 屋に入って来たのよ?」
「気にしない気にしない☆」


ヨザックは から離れて椅子に座ると、机の上にあるお菓子を摘んだ。


「で?陛下、何か 聞きたいことでも?」
「え〜っと、小さい頃のってどんなだったの?」
「ユーリ!!」


は非難の視線をユーリに向ける。


「いい じゃんか〜。ばっかり俺の子供時代を全部把握しちゃってさ、ズルいじゃん!!」
「そりゃそうだけど………………」


が口出し出来ないのを確認す ると、ヨザックは楽しそうに話し出した。


は、とにかく暴れん坊将 軍でしたね〜☆プー坊ちゃんと裏の森に探検に行ったきり帰って来られなくなったり、
 勝 手に一人だけで街に行ったり。」
「ヨザ!!」


は真っ 赤な顔でヨザックに抗議をする。


「ヴォルフラムと!?何か意外な組み合わ せだな〜」
「今は逆ですけど、昔はそりゃもうプー坊ちゃんはにべったりで、の後を ひょこひょこついて回ってたんですよ?」


の非難の声を無視して、ヨ ザックはなおも話し続ける。


「逆にグウェンダルは、隊長にに近づく のを禁止されてて、滅多に遊ばせてもらえなかったみたいですがね。」
「何で?」
「可愛いもの好きだから。」


ハッキリそう言ったヨザックに、ユーリは 苦笑いを返した。


「それじゃあ、コンラートはどんなんだった?いつも爽や かで、怖いもの無しなイメージがあるんだけど。」
「「………………………………………………………………。」」
「あれ?何で二人とも黙っちゃうの?(汗)」


とヨザックは互いに顔を見合わせると、微妙な顔でユーリを見た。


「………………コンラートは………………」
「………………昔っから今 のまんまっすねぇ………………あ、でも、今よりちょ〜っとは子供っぽかったかもしんな い!?
そ〜そ〜!!ちょび 〜っとだけね!!
「………………わかったよ。もう聞かないよ。(汗)」


あまりの二人の慌て様に、ユーリはそれ以上追求するのはやめることにし た。


「じゃあ、コンラートの弱点とか弱みってないの?」
「「コン ラート(隊長)の弱点!!!!!?????」」
「そんなに驚くようなコトな の!?だってコンラートの弱点って、見当もつかないしさ。」


は遠い 目をして、小さく呟いた。


「………………そんなのこっちが聞きたいわよ( 汗)」
「三人で何の話をしてるんですか?」
「「「コンラート(隊長 )!!!!!!!!!!」」」
「そんなに驚かなくても。」


コン ラートが、苦笑いをしながら扉の横に立っていた。


「いつの間に部屋に入っ て来たのよ!?」
「一応ノックはしたんだけど、話が盛り上がってて聞こえなかった んじゃないか?」


コンラートはに近づくと、大量の書類を手渡した。


「………………何よこれ?」
「グウェンダルからのプレゼント。」
「はぁ!?まだこっちにも腐るほど残ってんのに!?」


は自分の前に 山の様に積みあがった書類と、コンラートに手渡された書類を交互に見た。


「まぁまぁ。グウェンダルもにかまって欲しいんだよ。」
「それなら思う存分 かまってやるわ!!行くわよコンラート!!グウェンダルに叩き返してやる!!」
「はいはい。お供しますよ。」


席を立ってドスドスと歩いて行った は、扉の前まで行くと思い出したように振り返った。


「ヨザ!!後は頼んだ わよ!!」
「は!?それってもサボりたいがために、俺に押しつけてんじゃあ りません!?」
「ヨザ??」
「スイマセンイッテラッシャイ。」


満面の笑みに隠された殺意を感じとったヨザックは、慌ててに頭を下げた。


バンッという扉が閉まる音と同時に、一気に部屋が静かになる。


「あ〜あ。 やっぱりコンラートには弱点なんてないのかなぁ〜?」


ユーリは大きく伸び をすると、机にへばりついた。


「隊長の弱点なんて、たった一つしかありま せんよ。」
「え?そ〜なの?」


不思議そうな顔をするユーリに、ヨザッ クは当たり前の様に答えた。


ですよ。いつだって、隊長の動力源は ですからね☆」
「………………………………納得☆」


ユーリは、 当たり前すぎてつまらなさそうな顔をすると、再びペンを持って机に向かう。


「………………俺の弱点もだけなんすけどね。」
「え?今、何か 言った?」
「いぃえ♪さぁ、さくさくやって早いトコ終わらせちゃいましょ♪」
「??」


さっそく書類に目を通しているヨザックを見て、ユーリも再び書類 を開いた。


微かな後味の悪さを残して………………



















ー 君がいるだけで、僕は強くも、弱くもなれるんだ ー



















[ あとがき]
リクエスト「幼なじみ三人組のお話、コンラートの弱点」でした☆
リ クしてくださった希望様、ありがとうございました!!
これは10000HITお祝 い小説を書いて下さった希望様へのお礼小説です☆
気に入っていただけたら幸せです (≧∇≦)