ツェリ様といい、やっぱり“母親”は “娘”で遊びたいものなのかしら………………??
「何でこ〜なるかな〜(汗)」
突然のスタツアで、単独、地球にUターンしてきてしまった、私、=
ことは、
なすすべもなく、濡れた服のまま、とぼとぼと道をさまよ
い歩いていた。
「これからど〜しよ。有利は先にこっちに帰った訳だから、
一応は居るはずなのよね〜。
入れ違いになってなければ良いけど………………」
は濡れた服の裾を力なく絞ると、髪を一つにまとめた。
「でも、流石にこの格好じゃ有利の家にお邪魔する事も出来ないし………………」
「あら?あららららら?あなた、確かちゃん、よね?」
「!?」
後ろからいきなり声をかけてきたのは他でもない、有利の母、渋谷美子であった。
「有利のお母さん!!」
「ど〜したの!?そんなずぶ濡れで!!」
「あ〜、足が滑って川に落ちちゃって………………」
言いにくそうに小さくそう答えると、美子は慌てての腕を掴んで歩きだした。
「大変!風
邪ひいちゃうわ!!ほらついてらっしゃい。うちでお風呂に入っていきなさい。」
「そんな!!ご迷惑ですよ!!」
「気にしないの☆女の子が体を冷やしちゃいけない
わ。」
こうしては、半ば強引に渋谷家に連行されたのであった。
「何でがいるんだ!?」
「あ、有利☆おっかえり〜♪」
「おっかえり
〜♪じゃなくて!!(汗)」
有利は野球のユニフォーム姿のまま私の所に駆け
寄って来ると、耳元で小さく囁いた。
『何で地球にいるんだよ!?まさかお
前一人でスタツアして来ちゃったわけ!?』
『みたいね〜☆買い物帰りに足滑らして
川に落ちち
ゃって気づいたらこっちだったのよ〜(笑)』
へらへらと笑うに完璧に脱
力してしまった有利は、がくっと力なく肩を落とした。
『お前な〜(汗)』
「嫌だわ、ゆ〜ちゃん!!あなた泥だらけじゃない!!早くお風呂入ってらっしゃ
い!!」
「ぅおっ!?」
美子は、ユニフォームのまま部屋を
うろうろする有利の首根っこを鷲掴みにすると、浴室の方に引っ張って行く。
「わ、わかったから引っ張るなってば〜!!(汗)」
引きずられ
る様にして、有利が美子に連れられてその場を離れると、急に部屋が静かになった。
『………………何か良いなぁ、こういう雰囲気。………………皆、私が突然
いなくなって、心配してるかなぁ〜………………』
が目を閉じてゆった
りとしていると、微かに階段を降りてくる足音が聞こえて来た。
「母さん?
何だか騒がしいケド、また例の眼鏡っ子でも来て………………!?」
「お、お邪魔
してます。眼鏡っ娘ではないケド、有利の友人其の二です。」
有利の兄であ
る勝利が下の騒がしさを不思議に思い、リビングに降りて来たのだった。
はぺこ
りと頭を下げると、じっくりと勝利の顔を眺めた。
『………………これが
“ボブの後継者”、“地球の魔王”になるのかぁ〜』
「??俺の顔に何
か?」
「いえ!!有利君とよく似てるなぁと思って☆」
ぽか〜んと勝利
を見つめていたことに気づいたは、真っ赤になって笑ってごまかす。
「君の方こそ………………」
「はい?」
今度は勝利が、の顔をまじ
まじと見つめた。
「………………“さおりちゃん”に似ていると言われたこ
とはないか?」
「“さおりちゃん”??」
「とあるゲームのヒロインなのだが…
……………はっ!!ぅおっほん!!今聞いた事は忘れてくれたまえ。」
「は、はぁ。」
のきょとんとした顔を見て我に返った勝利
は、瞬時に顔を赤らめ
る。
『………………初対面の女性にいきなり“さおりちゃん”の話はまず
かったか………………』
勝利は心の中で深く反省すると、気を取り直した様
にに話かけた。
「ところで、以前に何処かで会ったことがあるかな??
何だか見たことがある気が………………」
「しょ〜ちゃん!!そんな使い古された口
説き文句、今時流行らないわよ!!」
「な!?別に口説いてる訳じゃ!!
」
「もぅ!!ちゃんは、ゆ〜ちゃんの大切なお客様何だからね〜?」
「勝利!!にちょっかい出すなよ!!このロリコン!!」
「ロッ!!有利!!お、お兄ちゃんになんてことを!!」
真っ赤に
なって怒る勝利を尻目に、有利がタオルで頭をがしがしと拭きながら二人の会話に割って
入る。
「もぅ出たの??早いはね!!本当にゆ〜ちゃんはカラスの行水なん
だから〜!!」
「とりあえず泥は落ちたんだから良いだろ〜」
文句を言
う美子など気にも留めずに
有利はソファに座ると、珍しい物を見るような目でを見つめた。
「………………さっきはお前の出現に気をとられて気づかなかったケドさ〜、その服って………………」
「………………何も言わないで。」
眞魔国で着ていた服が濡れ
ていて着れないため、
は美子が用意したふりふりの洋服を借りていたのだった。
「ツェリ様とか喜びそうだよな〜。まぁ、あの人だったらもっとゴージャス
なの用意するだろうケド………………」
「ツェリ様なら、力いっぱい拒否出きるんだ
けどもねぇ………………」
流石のも、余所様の母親の好意を無碍にする
こともできず、
されるがままに美子の服に袖を通したのだった。
「と
〜っても似合ってるわよね〜ゆ〜ちゃん??なのにちゃんったら、
自分には似
合わないから良い、って遠慮するのよ〜??」
「まぁ、確かに似合ってはいるんだけ
どもさぁ………………」
有利はの心情が簡単に察せるため、苦笑いする
しかない。
「ちゃん、こっちも来てみない〜??私が昔着てたウェイトレスさんの制服〜♪」
そう言って楽しそうにはしゃぐ美子の手には、黒のワンピースと白いフリル
のエプロンがしっかりと握られている。
「いや!!それよりも、是非こっち
を………………」
一体いつの間に持って来たのだろうか………………勝利の
手には、言わずと知れた巫女服がしっかりと握られていた。
「母さん!!勝
利も!!名前はリカちゃん人形じゃないんだぞ!?
てゆか勝利は何でんなもん持っ
てんだ!?(汗)」
「おバカちんなお前には、到底お兄ちゃんの崇高な好みは理解出き
ません!!」
「理解したくもね〜よ!!」
有利と勝利が言い
争っている間に、美子はまた新たな衣装を用意している。
「私もこんな可愛
い娘が欲しかったわ〜♪しょ〜ちゃんは最初から諦めたてたケド、ゆ〜ちゃんは途中まで
はうまくいってたのに………………ゆ〜ちゃんのバカ!!」
「俺のせい
じゃないっての!!」
「ね〜ちゃん、もうこの際だから今夜は泊まっていかない?確か一人暮らしだったわ
よね?」
美子は完璧に有利をの反論は無視したまま、と話を進める。
「いえ、流石にそこまでお世話になるわけには………………」
「………………諦めろ。うちの母さんは言い出したらきかないぞ?」
有利は
の肩をぽんって叩くと、少し楽しそうに笑っている。
「………………(人事
だと思って〜!!)じゃあ、お願いします。」
こうして、の“渋谷家一
日ホームステイ”が決まったのでありました………………。
「ウルリーケは確かにお母様専用浴室にがいると言ったんだな!?」
「あぁ、
何事もなければ良いんだが………………」
「二人とも何をもたもたしているんで
す!?もっと早く歩きなさい!!」
つい先ほど、ウルリーケからが
帰ってくると報告を受けたコンラートたちは、
代表でコンラー
ト、ヴォルフラム、ギュンター(どうしてもついて行くと言ってきかなかった)
、の3
人が急ぎ足で浴室に急いでいた。
「「「!!」」」
三人が一斉に浴室に駆け込むと、レースの一杯付いた純白のネグリ
ジェを着たが、
浴槽の縁に足をかけて座っていた。
「なっ!?何
て格好をしてるんだ!!お前は!!///」
水に濡れて、あられもない姿のを見たヴォルフラムが真っ赤な顔をして叫ぶと、コンラートが真っ青な顔で慌てて駆
け寄った。
「!!一体何があった!!何処に行ってたんだ!?」
「ま、まさか、親分(?)に誘拐されて、危ないお仕事でもやらされていたんじゃないで
しょうね!?」
「だ〜!!もうウルサい!!てゆかまずギュンターは
鼻血を拭け!!」
は、コンラートからタオルをふんだくって体
に纏うと、凄い勢いで話し出した。
「信じられない!!トイレよ!?トイ
レ!!“渋
谷家のトイレに流された〜”だなんて、一生ユーリに笑われるじゃない!!夜中にトイレ
に行って何が悪い!?て言うか、どうせなら風呂に入った時点でスタツアすれば良くな
い!?何でよりによってトイレ!?しかも夜中にいきなりいなくなるとか、今度有利のお
母さんに会った時何て説明すれば良いのよ!?とんでもなく失礼極まりない奴じゃな
い!!とんだ不良娘だわ!!眞王陛下のバカやろ〜ぅ!!!!!!!!!!」
の悲鳴が眞魔城に響きわたる頃、一方の地球の渋谷宅では………………
「ゆ〜ちゃん!!あなた、ちゃんに何をしたの!?真夜中に怒って突然帰っちゃうな
んて………………ゆ〜ちゃん、まさか!?」
「だ〜か〜ら〜!!
何もしてないって!!(汗)怒って帰ったんじゃなくて、あ〜………………えっと〜………………
そうそう!!神のお告げがあったらしくてさ、急に故郷の“ひょうたん島”
に帰らなくちゃいけなくなっちゃってさ〜!
!」
「ゆ〜ぅちゃぁ〜ん〜!?そんな嘘がママに通じるとでも思ってる
の!?」
「お兄ちゃんはお前をそんな子に育てた覚えはありません!!」
「育ててもらった覚えもね〜よ!!」
『………………頼むから放
置プレイは止めてくれよ………………(涙)』
母と兄に板挟みにされた有利少
年の苦悩は、もうしばらく続くのであった………………
ー
母さん、俺、本当に母さんの“娘”に生まれなくて本当に良かったよ………………ー
[
あとがき]
無駄に長いですね(死)
そして全く話がまとまってないですね〜(死
)
てゆか何かもう、勝利を好き勝手暴走させすぎました(;´Д`)
そうです!!初
勝利です!!(笑)
うちの中の勝利はきっとこんな感じなんでしょうね(笑)
あと、
渋
谷一家を書くのが滅茶苦茶楽しいです〜♪
そのうち父ちゃんも………………!!(笑
)
このお話は「44 孤独〜君のいない世界〜」とリンクしてます☆よろしけれ
ば、そちらも見てやってくださいな♪