決めたの。今度こそあなたの代わりにあなたの大切な人を守り通すって…





















 1 消せない想い、消えない記憶





















「有利、銭湯でおぼれたんだって?」
「なっ!何でお前が知ってるんだよ!?」


私、は、高校で知り合って意気投合した渋谷有利原宿不利
(こう言ったら本人は怒るケド)と、 いつものように一緒に帰っていた。


「ムラケンが、こと細かに教えてくれたの。」
「だからお前たちは、いつの間にそんなに仲良くなったんだよ〜」


ムラケンこと村田健とは、有利を通じて知り合った友人…という事になっている。


「いいから、ほら!ちゃんと前見て運転する!」
「…はいはい。」


私は自転車を一生懸命こいでいる有利の頭を後ろから軽くはたいた。
有利の自転車の後部座席は、今やすっかり私の指定席になっている。









はいつ渋谷に本当のことを話すの?』









昨日のムラケンの台詞が頭をよぎる。









『そういうあなたは?』









そう返すと、お互いに黙り込んでしまった。









「…私は…」
「…ん?今何か言った…って、うわあっ!?


ガタッ!!急に自転車のスピードがあがった。


「きゃっ!!何!?」
「何だこれ!?ブレーキがきかなっ…!?」


ガタタタンッ!!!!!
チェーンの擦れる鈍い音がした。


!!飛び降りろ!!」
「は!?そんな無茶な!!って!!有利危ない!!前!前!!川!川!!」


ザバーン!!!!!!!!!! 私と有利は、自転車ごと川に投げ出された。


「…ぅっぷは!!げほっ!!ごほっ!!ゆ…うり?大丈夫!?」
「大丈…ぶっ!?じゃない〜!!うわああああああああああっ!!
 ちょっ…!!助けっ…!!吸い込まれる〜!!」

は!?吸い込まれるって何!?とにかく手!!つかまって!!」


私が有利の手を取った途端、2人そろって渦に引き込まれてしまった。


薄れゆく意識の中、ふいに愛しい人の懐かしい笑顔が浮かんだ…









、これだけは忘れないで。君は俺が必ず守るから…。』









違うよ…そうじゃない。私があなたを守りたいの…



















―幾度月日は巡っても、私の想いは必ずあなたのそばに―


















[あとがき]
めっちゃ短くてゴメンナサイ(汗)
とりあえず主人公が眞魔国に行くまでの過程です。









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