嫌いなわけじゃないのよ?
本当は楸瑛兄様も、龍蓮も大好
きよ?
でも、私への過保護さは行きすぎだと思うの…………。
参 星姫〜hoshihime〜
「お前の兄の藍龍蓮を、茶州の秀麗 の所に使いにやろうと思うのだが……。」
「は??」
そう主上に言われた時、は我が耳を疑った。
「…………今、もしかして“楸瑛”兄様じゃなくて、
“龍蓮”の方を使いに出すっておっしゃりました…………??」
「あぁ、そうだ が。何か?」
の顔色が一瞬にして青くなる。
「ぜっっっっっつたいに駄目です!!
あんな
のにそんな大事な役目!!よぉぉく考え直して下さい!!」
は大慌てで反対した。
「しかし余は、龍蓮が一番 その任に適役だと思ったのだ。それに、本人も快諾してくれたぞ?」
「今す ぐ取り消して下さい!!龍蓮…………兄様が行く位なら、私が行きます!!」
「…………なるほど。そうか。」
「へ!?」
「そんなに龍蓮が
心配なら、二人で行ってもらおう。
そうだな、それが良い!そなたも一緒なら龍蓮も
そんなに無茶は出来ないだろうし。」
「いやいやちょっと待って下さい!!
誰も心配なんてしてないですってば!!そうじゃなくって!!」
劉輝は納得したように、深くうなずいた。
「いや、兄妹愛とは誠に美しいものだな。よし、決まり だ!!」
「そんなぁぁぁあ!!」
の
叫び声がむなしく宮廷内に響いた。
こうして藍龍蓮、兄妹のおつかいが決まった
のだった。
そ うこうするうちに、龍蓮とが出発する日…………
「我が愛しの妹よ!いざ、共に旅立とうではないか!!」
「…………はぁ。どうでも良いけどその呼び方やめてよね。」
はこれから先のことを考えると、溜め息が止まらなかった。
「、龍蓮を頼む。龍蓮、に何かあったら ただじゃぁおかないぞ?死ぬ気で守れ!!」
見送 りに来ていた楸瑛が、青い顔でそれぞれに言った。
「兄上 に言われなくてもわかっておる。大舟に乗ったつもりで任せておけ。」
「……………………やっぱり不安だ!!、やっぱり俺も着いて行く!!」
「楸瑛兄様!!ワガママはよして下さい!!」
「そうだぞ、楸瑛。余はそな たにいなくなられると困る。」
劉輝が横から口を挟む。
「お前たち、楸瑛がこれ以上馬鹿を言い出す前にもう行け …………。」
黙って傍観していた絳攸だが、楸瑛の壊れっぷりに呆れて口を開いた。
「そうですね。では、絳攸様、行ってまいります。」
「あぁ、気を付けて行ってこい。」
こうしてひととおりあいさつを済ますと、龍蓮が の手を取った。
「いざ、行かん!!我が心の友其の1と2 の元へ!さぁ、、兄妹仲良く手を繋いでいこうではないか!」
「なっ!!恥ずかしいからや〜よ!!って!!人の話しを聞け〜!!」
強引にの手を引っ張り、龍蓮は意気揚々と歩き出
した。
二人の旅は、まだ始まったばかりである…………。
[
あとがき]
次が長くなりそうなので、短いですがココで切りました。
次回は二人の旅のも
ようを、おおくりします。