私が倪下と始めて会ったのは、今から2年前の事だった。
8 秘密の約束
私は有利と一緒に高校に通い出すま では、有利をストーキング……いや、陰からこっそり見守っていた。
その日もい つもの様に有利が学校から出てきた所を、尾行……いや、追い掛けようと校門の影から そっと忍び寄った。
「君、いつも渋谷をつけてるよね?」
驚いて心臓が止まりそうになった。
あまりに突然の出
来事に焦った私は、出来るだけ平静を装おって声の主を振り返った。
「ごめんなさい?あなたが何のことを言ってるのかサッパ リ……、!?」
一目見てわかった。
見た目はごくごく平凡な
男子中学生だったが、魂の輝きが違う。
「まさか倪下までこちらに来ていらっ しゃるとは……!!知らなかった事とはいえ、大変失礼をいたしました。」
は片膝をついて頭を下げた。
「そんなの全然気にし なくて良いから、ほら、頭あげて!凄く目立つからさ!」
倪下はどうにか私を立たせると、公園に誘導した。
「君もあっちの人なんだよね?」
「はい。お会いできて光栄です、倪下。」
「倪下と敬語はやめてくれよ。 僕は今はただの“村田健”なんだから。君は?」
あまりに
も気さくな大賢者様に、も肩の力が抜けた。
「= ……“”よ。」
「いつからこっちに?」
「15年程前……有利が産まれた時から。」
「じゃあ渋谷は君のことを?」
「…… えぇ。知らないわ。有利は私どころかあちらの世界のことも、自分の立場も何も知らない の。」
「そう……とか言ってる僕の方も渋谷とは顔見知り程度何だけどね。
でも、やっぱりいつか“仲の良い友達”になりたいな……うん、なれたら良いと思うんだ。」
「なれますよ!!2人の魂は運命に導かれてるんですから!!」
「そうだね、あり がとう。その時は君も一緒に、ね。」
「約束よ?ほら、指切りして。」こうして2人は顔を見合わせ微笑みあった。
そんな2人のささやかな願いは、もう少ししてから叶うこ とになる。
「えっと〜、こっちが俺の中学の同級生でムラケン……っと、村田健。
で、こっちが
同じクラスの。」
「“はじめまして”ムラケン君、よろしくね♪」
「こちらこそ、よろしく!」
「……何か2人とも初対面なのに妙に打ち解 けてる気が……。」
『そう?』
「だからハモるなって〜も〜」
何 だか納得のいかない有利を間に挟んで、とムラケンは互いに微笑みあった。
ー
いつでも私はあなたの見方だよ。例え“彼”が“あなた”の敵に
回ろうともー
[
あとがき]
ムラケンの喋り方があってるか微妙です(汗)
違和感感じた方はごめんなさい!!